銀行員の仕事内容はきついって本当?
いつの時代も常に人気のある業種「銀行員」について今回、解説していきます。
この記事では、主な仕事内容や仕事の魅力、デメリット、役に立つ資格など皆さんが気になるような内容をまとめて、現役キャリアコンサルタントのおーかわ。が解説します。
銀行員の主な仕事内容とは
銀行員の主な仕事とは、お金を扱うプロフェッショナルとして、個人や企業の経済活動を支えることです。配属される部署によって業務内容は大きく異なりますが、ここでは代表的な仕事をいくつかご紹介します。
1. 預金・為替業務(窓口業務)
いわゆる「テラー」と呼ばれる窓口担当者の仕事です。お客様の預金の入出金、振込、口座開設、税金や公共料金の収納など、日々多くの手続きを行います。正確性と迅速性が求められる、銀行の顔ともいえる重要なポジションです。
- 預金業務: 普通預金、定期預金などの口座管理や手続きを行います。
- 為替業務: 振込や送金、手形・小切手の処理など、資金の移動に関する業務です。
近年は、投資信託や保険商品などの提案を行うことも増えており、お客様の資産運用に関する相談窓口としての役割も担っています。
2. 融資業務
個人や企業から融資の申し込みを受け、審査から契約、実行までを担当します。
- 個人向け融資: 住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなど、個人のライフイベントに関わる資金を扱います。
- 法人向け融資: 企業の事業資金や設備投資資金などを融資します。企業の経営状況を分析し、事業の将来性を見極める「事業性評価」の能力が不可欠です。
融資は銀行の収益の柱であり、企業の成長や個人の夢の実現を直接サポートできる、やりがいの大きい仕事です。
3. 渉外業務(営業)
個人宅や企業を訪問し、金融商品の提案や融資の相談、経営に関するコンサルティングなどを行います。お客様との信頼関係を築き、ニーズに合った提案をすることが求められる、まさに銀行の最前線です。厳しいノルマが課されることもありますが、成果が直接評価につながりやすい仕事でもあります。
銀行員の魅力(メリット)とデメリットとは
銀行員の魅力(メリット)
銀行員のメリットとは、社会的信用が高く、給与水準が高いため、住宅ローンなどの審査が通りやすい点が挙げられます。また、経済や金融の知識が身に付き、自身の将来のための資産形成において有利になる点です。
- 社会的信用度が高い: 「銀行員」というだけで、社会的な信用を得やすいのは大きなメリットです。住宅ローンなどの審査で有利になることもあります。
- 給与水準が高い: 他の業界と比較して、給与水準は高い傾向にあります。特にメガバンクでは、30代で年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
- 福利厚生が充実している: 家賃補助や社員食堂、保養所など、福利厚生が手厚い銀行が多く、安定した生活基盤を築きやすいです。
- 経済や金融の専門知識が身につく: 日々の業務を通じて、経済の動向や金融商品に関する専門的な知識が自然と身につきます。これは、自身のキャリアだけでなく、プライベートの資産形成にも役立ちます。
銀行員のデメリット(きつい点)
一方で、銀行員のデメリット(きつい点)は営業として厳しいノルマが課せられることが多くプレッシャーを感じながら日々仕事に取り組まなければなりません。また、金融商品は年々多様化、複雑化しており、自己啓発が必須になります。また、銀行員は癒着を防ぐため、転勤の割合が多いことも挙げられます。地域密着で地元を離れたくない方にとってはデメリットといえるでしょう。
- 厳しいノルマ: 融資額や預金残高、投資信託の販売額など、多くの行員に厳しいノルマが課せられます。達成へのプレッシャーは大きいでしょう。
- 常に勉強が必要: 金融商品は多様化・複雑化しており、新しい法律や制度も次々と出てきます。お客様に最適な提案をするため、常に学び続ける姿勢が求められます。
- 転勤が多い: 多くの銀行で全国転勤があり、数年ごとに勤務地が変わる可能性があります。ライフプランに影響が出ることも考慮が必要です。
- ミスの許されないプレッシャー: 1円の誤差も許されないお金を扱う仕事のため、常に正確性が求められ、精神的なプレッシャーが大きいと感じる人もいます。
銀行員に向いている人・向いていない人とは
向いている人とは
銀行員に向いている人はずばり向上心のある人です。もちろん、他の要素もありますが、多くの専門知識を必要とし、日々アップデートをしていかなければならない業界です。コツコツ勉強できることが大前提になります。
- 責任感が強く、誠実な人
- お客様の大切な資産を預かるため、真面目にコツコツと仕事へ取り組める。
- 細かい確認作業も丁寧に行える慎重さがある。
- 学習意欲が高く、変化に柔軟な人
- 新しい金融知識や経済情報を積極的に学ぶ意欲がある。
- 業界の変化を前向きに捉え、新しいスキルを吸収できる。
- コミュニケーション能力が高い人
- お客様との対話を通じて信頼関係を築き、ニーズを引き出せる。
- 難しい内容も分かりやすく説明できる。
- プレッシャーに強く、精神的にタフな人
- ミスが許されない緊張感の中でも冷静に業務を遂行できる。
- 目標(ノルマ)達成にやりがいを感じ、前向きに取り組める。
向いていない人とは
銀行員に向いていない人は細かいことが苦手な人です。特にお金を扱う仕事の上で1円の誤差も許されない業界です。
感覚的に作業する人や自分定規で仕事をするような人は向いていない可能性があります。
- プレッシャーに弱い人
- 1円のミスも許されない正確性を求められる仕事であり、常に緊張感が伴います。
- 融資や金融商品の販売には厳しいノルマが課されることが多く、達成へのプレッシャーに耐えられないと精神的に辛くなります。
- 勉強が嫌い・変化を好まない人
- 金融商品は次々と新しいものが出て、法律や経済状況も常に変化します。お客様に最適な提案をするために、常に新しい知識を学び続ける意欲が不可欠です。
- FinTechの台頭など、業界の変化に対応していく柔軟性がないと、将来的に活躍し続けるのは難しいでしょう。
- コミュニケーションが苦手な人
- お客様のニーズを正確にヒアリングし、信頼関係を築くことが非常に重要です。
- 世代や職業の異なる様々なお客様と円滑に意思疎通を図る能力が求められます。
- 大雑把な性格の人
- 大切なお客様のお金を扱うため、細かい事務作業や何度も確認する作業が苦にならない慎重さが求められます。
- 「これくらいでいいか」という大雑把な仕事の進め方は、大きなミスに繋がる可能性があります。
仕事に役立つ銀行員におすすめの資格とは
仕事に役立つ銀行員におすすめの資格とは、下記に表にまとめてみました。
まずは簡単なところから勉強し、資格の取得を目指すとよいでしょう。
| 資格名 | 内容 | 難易度(目安) | 費用(目安) |
| 証券外務員 | 株式や投資信託などの有価証券を販売するために必須の資格。一種と二種がある。 | ★★☆☆☆ | 約10,000円 |
| ファイナンシャル・プランナー(FP) | 年金・保険・税金・不動産など、個人の資産運用に関する幅広い知識を証明する資格。顧客への提案に役立つ。 | ★★★☆☆ (2級) | 受験料:約10,000円 (別途教材費) |
| 銀行業務検定 | 法務、財務、税務、年金など、銀行業務に直結する専門知識を問う検定。20以上の試験区分がある。 | ★★☆☆☆~★★★★☆ | 約4,000円~10,000円 |
| 日商簿記検定 | 企業の財務諸表を読み解く能力を証明する資格。特に法人融資を担当する際に必須の知識。 | ★★★☆☆ (2級) | 約5,000円 |
| TOEIC | グローバルに展開する銀行や、海外案件に携わりたい場合に英語力は大きな武器になる。 | – | 約8,000円 |
これらの資格は、自身のスキルアップはもちろん、お客様からの信頼獲得にも繋がります。銀行によっては資格取得支援制度が整っている場合も多いので、積極的に活用しましょう。
まとめ:銀行員は社会経済を支えるやりがいのある仕事
銀行員の仕事は、厳しいノルマやプレッシャーがある一方で、高い社会的信用と安定した待遇、そして何より個人や企業の成長を直接サポートできるという、大きなやりがいのある仕事です。
FinTechやAIの台頭により、銀行員の役割は「手続きをする人」から「専門知識を活かしたコンサルタント」へと変化しています。変化の激しい時代だからこそ、常に学び続ける意欲のある人にとっては、活躍の場がさらに広がる魅力的な職業と言えるでしょう。
本記事で解説した内容が、ご自身の適性を見極め、銀行員としてのキャリアを検討する上での一助となれば幸いです。

